著者
村上 祐貴 大下 英吉 鈴木 修一 堤 知明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.631-649, 2008 (Released:2008-12-19)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

本研究では,曲げ破壊先行型RC梁部材において鉄筋腐食が残存耐力性状に及ぼす影響評価を実施するため,主鉄筋の応力伝達や抜出し抑制に対するせん断補強筋や定着筋の効果に着目した実験を実施した.引張主鉄筋が比較的均一に腐食した場合,せん断補強筋の定着領域の残存量が十分であれば,その拘束により引張主鉄筋の付着が保持され曲げ破壊を呈する.一方,せん断補強筋の定着領域がその性能を発揮できない程に過度に腐食した場合には主鉄筋の定着領域まで荷重が伝達され,主鉄筋の定着性能が残存耐力性状に極めて支配的な影響を及ぼす.また,作用モーメントの大きい領域で主鉄筋が局所的に腐食を生じた場合,その領域において変形が局在化し,せん断補強筋の腐食程度によらず曲げ破壊性状を示すことが明らかとなった.
著者
安田 登 白木 渡 松島 学 堤 知明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.496, pp.41-49, 1994-08-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

近年, 日本各地でコンクリート構造物の早期劣化現象が指摘されはじめ, 維持管理業務の重要性が再認識されるところとなっている. コンクリート構造物の健全度評価を行い, 補修の要否を判断する場合, ひびわれ幅やひびわれパターンなどの劣化状況, 構造物の重要度を踏まえた耐用期間ならびに補修の難易度を総合的に判断する必要がある. 本研究は, 曖昧性を含む多くの評価項目を処理する必要のあるコンクリート構造物の健全度の判断に対して, ニューラルネットワークを適用し, 各要因の感度解析を行った.