著者
塙 晴雄 柏村 健 小澤 拓也
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

心不全の症例は、貧血や鉄欠乏になることが知られている。しかし、その機序はよくわかっていない。一方、最近ヘプシジンという肝臓から分泌されるホルモンが鉄の代謝に対して重要な役割を持つことがわかってきた。心不全になると、肝臓ではうっ血が起こる。我々は心不全で肝うっ血がおこり、このためにヘプシジンの分泌に影響がおよび、鉄欠乏、貧血をきたすのではないかと推測した。そこでラットで肝うっ血をきたすモデルを作成し、ヘプシジンの産生、貧血、鉄欠乏について調べたところ、ヘプシジンの不適切な過剰分泌が生じて、貧血、鉄欠乏に関係することが示され、一部のヒトの貧血をもつ心不全症例でもその機序が示唆された。
著者
塙 晴雄 小玉 誠
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

IL-1阻害薬は炎症が関わる疾患の治療薬として期待される。我々は、IL-1受容体アクセサリー蛋白(Acp)-免疫グロブリン(Ig)とIL-1RタイプII(IL-1R2)-Igのヘテロダイマー(Acp-Ig/IL1R2-Igヘテロダイマーと呼ぶ)を作成し、そのIL-1阻害作用を既存のIL-1阻害薬と比較検討した。Acp-Ig/IL1R2-Igヘテロダイマー(ラット,IC50=1.95pM;ヒト,IC50=0.14pM)はIL1RA(ラット,IC50=1,935pM)やAcp-IL1R type I(IL1R1)-Igホモダイマー(ラット,IC50=73.7pM;ヒト,IC50=4.48pM)、Acp-IL1R2-Igホモダイマー(ラット,IC50=72.8pM)よりも強力にIL-1を阻害し、それはIL-1αおよびIL-1β共に強く阻害した。