著者
塙 晴雄 柏村 健 小澤 拓也
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

心不全の症例は、貧血や鉄欠乏になることが知られている。しかし、その機序はよくわかっていない。一方、最近ヘプシジンという肝臓から分泌されるホルモンが鉄の代謝に対して重要な役割を持つことがわかってきた。心不全になると、肝臓ではうっ血が起こる。我々は心不全で肝うっ血がおこり、このためにヘプシジンの分泌に影響がおよび、鉄欠乏、貧血をきたすのではないかと推測した。そこでラットで肝うっ血をきたすモデルを作成し、ヘプシジンの産生、貧血、鉄欠乏について調べたところ、ヘプシジンの不適切な過剰分泌が生じて、貧血、鉄欠乏に関係することが示され、一部のヒトの貧血をもつ心不全症例でもその機序が示唆された。