- 著者
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塚原 典子
麻見 直美
江澤 郁子
- 出版者
- 日本家政学会
- 雑誌
- 日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.7, pp.673-682, 1999-07-15
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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日本の国技である相撲の世界は,特殊な食生活形態および身体的特徴を有し,さらに稽古量も多いことから,これらが骨に与える影響は大きいと考えられる.そこで本研究では相撲界における,体格,日常の食生活および身体活動状況等が骨密度に及ぼす影響について経時的観察(1年間)を実施し,さらに,同年代の一般男子学生の骨密度との比較検討も併せて行った.その結果,力士の骨密度は,一般男子学生に比べ,いずれの部位においても有意な高値(p<0.001)を示した.また,力士の番付けと体格の間に関係が認められたことからも,力士にとって体格を増進し,骨格筋等の筋力アップとそれに伴う骨の強化は,最も重要な課題であると考えられる.また,入門1~2年の力士で,1年間で上腕骨および大腿骨の骨幹部の骨密度の増加が認められたことから,骨幹部は体重や稽古(荷重やメカニカルストレス)の影響を受けやすい部位である可能性が考えられる.さらに,入門歴6~8年の力士において大腿骨近位部骨密度の増加が認められたことからも,しこを踏むという相撲独特の運動(稽古)が各部位の骨密度を高めるものと思われる.