著者
塚本 和子
出版者
文化女子大学
雑誌
文化女子大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
no.36, pp.9-23, 2005-01

19世紀の婦人服,クリノリン・ドレスのパターン・縫製法について調査研究を行った。卒業論文で時代衣装の複製をする学生に充実した指導をするため,資料作成をすることを目的とした。調査した資料は1860年代のワンピースドレスで,デイドレスとして着用された資料3点である。当時のドレスはデザインを決定する際には身頃は3面構成,袖は2枚袖,スカートはプリーツを入れ,トレーンを曳いているなどを条件としていた。素材は3点とも布幅は60cm前後で,使用量は約10mであった。ドレスの裏側に用いる裏打ち布は3点ともに身頃にはつけられていたが,スカート2点にはっけられていなかった。身頃のみに裏打ち布を使用したのは,汗などの影響や動作することにより縫い目に力がかかるためであると思われる。縫製はすべて手縫いであった。身頃の各縫い目は細かい返し縫いで,しっかり縫合されていた。スカートは布地に負担がかからない程度のやや粗めの並み縫いであった。実物資料を調査することにより,充実した資料を作成することが出来た。
著者
重冨 いずみ 原 道子 倉田 美和 東垂水 きみ子 塚本 和子 白数 純也 湖崎 淳 湖崎 克
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.197-202, 2001-07-15 (Released:2009-10-29)
参考文献数
5

視野異常がある患者から遠近感がつかみにくいと耳にすることがある。このことから緑内障性視野異常のある患者において立体視機能がどの程度あるのか、また立体視に影響を及ぼす視野異常の部位について検討した。対象は当院にて経過観察中の緑内障患者49名(平均66.8±11.6)才で、矯正視力0.7以下、±7D以上の屈折異常、2D以上の不同視、無水晶体眼、斜視、および眼底疾患を有する患者は除外した。遠見立体視はニコンツインチャート、近見立体視はチトマスステレオテストを用いた。緑内障の病期分類はゴールドマン視野計を用いて、湖崎分類で判定し、中心部10度以内の視野はハンフリー視野計を用いて評価した。視野障害が進行している方の眼の病期がIII b期までは立体視機能は良く保たれていた。しかし、IV期になると立体視機能は著しく低下した。中心視野で鼻下側の障害がある症例では、立体視が不良である傾向があった。中心視野の極めて狭い症例では近見の立体視検査で視標の大きさによって結果にばらつきがあった。これらの症例では小さな視標では立体視が良好であったが、大きな視標では逆に不良であった。