著者
堀之内 克彦 塩沢 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.331-336, 1993-09-25
被引用文献数
23

開放型チェレンコフレーザにおいて,電磁波と電子ビームの運ぶ電力の総和が保存されるというエネルギー保存則を用いて,電磁波の電力増大の様子を数値的に明らかにし,電磁波の増大に伴うビームのドリフト速度の減少およびその影響,ならびに導波路を構成する誘電体の誘電率を変化させることによる増大特性の改善について調べている.まず,電磁波が増大するにつれてビームのドリフト速度が減少し,電子ビームと電磁波の同期がずれてくるため,初期に設定された周波数における空間的増大率が次第に減少し,電磁波の電力増大が妨げられることを示している.次に,電子ビームと電磁波の同期を維持するために,ビームのドリフト速度の減少に合わせて導波路を構成する誘電体の誘電率を電磁波の進行方向に徐々に増加させることにより,ビームのドリフト速度の減少による空間的増大率の減少を抑えることができ,電磁波の増大特性を改善できることを明らかにしている.
著者
平田 晃正 塩沢 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.497, pp.7-12, 1998-01-22

解析のモデルとして, 方形導波管の下部導体に誘電体薄膜を装荷し, そこから一定距離離れたところを有限幅の電子ビームがドリフトしているチェレンコフレーザの3次元モデルを考える. 粒子シミュレーションの手法を用いて, 電子ビームの非線形性を考慮に入れ, 上記モデルにおける電磁波の増幅特性および電子ビームの運動エネルギーから電磁波へのエネルギー変換効率について論じている. 更に, 2次元モデルのチェレンコフレーザにおける解析結果と比較し, その相違について検討している.