著者
蔡 正国 塩野 毅
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.77-89, 2007-02-25
参考文献数
75
被引用文献数
2

本報では,最近進展の著しいシングルサイト触媒による重合について,炭化水素系モノマーの立体特異的リビング重合を中心に概説した.まず,バナジウム,ニッケル,4 族金属錯体触媒による &alpha;-オレフィンのリビング重合についてこれまでの研究を位置選択性や立体特異性の観点からまとめた.さらに,各触媒系の特徴を利用したステレオブロック共重合体やレジオブロック共重合体の合成例を紹介した.また,これまで困難であったノルボルネンのビニル付加リビング重合やエチレン,プロピレンとのランダム共重合,ブロック共重合について筆者らの最近の研究を中心に解説した.プロピレンと同様に立体特異性や位置選択性が要求されるブタジエンとスチレンの立体特異的リビング重合ならびにブロック共重合の最近の進展についても解説した.最後に,ポリマー鎖と同量の重合活性種を必要とするリビング重合の欠点を克服しうる,単分散ポリオレフィンやオレフィンブロック共重合体を触媒的に合成する最近の試みについてまとめた.<br>
著者
前田 健永 中野 誠 愈 燕蕾 間宮 純一 宍戸 厚 塩野 毅 池田 富樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子学会予稿集 第53回高分子学会年次大会
巻号頁・発行日
pp.1405, 2004 (Released:2010-03-29)

アゾベンゼン液晶モノマーを様々な配向状態で光重合し,均一に配向した透明な液晶フィルムを得た。液晶フィルムに光照射を行い,屈曲挙動を検討した。
著者
近藤 瑞穂 前田 健永 兪 燕蕾 宍戸 厚 塩野 毅 池田 富樹
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.107, 2004

アゾベンゼンを含む液晶エラストマーでは,光によって分子の配向を変化させ異方的な屈曲を誘起できる。本研究では,分子の配向が屈曲に及ぼす影響を調べるため,ホメオトロピック配向した液晶エラストマーフィルムを作製し,その光応答性を検討した。フィルムは光の照射方向と反対に屈曲し,従来のホモジニアス配向した液晶エラストマーフィルムと異なる挙動を示した。