著者
夏目 統
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.27-35, 2018 (Released:2018-03-31)
参考文献数
29
被引用文献数
1

食物アレルギーの発症予防法は, 食物除去から乳児期早期摂取開始へとパラダイムシフトが起こった. これは, 食物アレルギーの原因が経腸管感作ではなく, おもに経皮感作であることが明らかにされ, 経口摂取はむしろ免疫寛容をもたらすことがわかってきたためである. 実際に, 乳児期早期の経口摂取が食物アレルギーの発症を予防できることが明らかにされたのは, 2015年のランダム化比較試験が初めてである. 卵に関するランダム化比較試験は現在までに6研究が報告され, メタアナリシスで早期摂取開始により卵アレルギーの発症が予防されることが明らかにされた. ただし, 実際に予防法を実践する上では即時型アレルギー反応の誘発に配慮する必要がある. 日豪, アジアからの提言で卵アレルギー発症予防の関連部分では, 有害事象を減らすために 「加熱卵」 を 「少量から」 摂取するように推奨し, 摂取開始時期等はアトピー性皮膚炎で層別化されている. しかし, その後の増量方法は明確な記載が少ない. 今後, 増量法, 摂取回数, 継続期間等の検討が行われることを期待したい.