著者
外岡 尚美
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、現代のパフォーマンス・アートと演劇における身体と苦痛の表象に焦点を合わせ、メディアとしての身体と苦痛および共同性の関係について考察した。マリーナ・アブラモヴィッチ、ロン・エイシー、ステラークなど重要なアーティストによる作品を中心に、身体的苦痛が喚起する情動と、観客の関与のあり方、意味生産および解釈の準拠枠を越える情動の作用を検討し、排他的な共同性の構成を刷新する情動の可能性を明らかにした。また技術と接続した身体と観客の体験に着目して、身体的知覚の変容について検討した。本研究は演劇・パフォーマンス研究において自明とされる、「現前」の枠で捉えられた身体のメディア性を明らかにした。
著者
堀真 理子 佐藤 亨 外岡 尚美 伊達 直之
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

テロや戦争、災害や貧困、環境汚染といった現代の我々が世界で抱える問題を過去一世紀にわたって現代アイルランド、アメリカ、イギリスの詩人、劇作家、アーティストがどのように取り組み、それぞれの作品を通してどんな知と癒しを提供してきたかを考えるうえで、とくに古典ギリシア劇・神話に人間の知の原点を求めて作られたものに焦点を絞り、具体的にどのように古典が翻訳・翻案・脚色されてきたのか、その社会的役割や美学的意義を考察した。