著者
佐藤 亨
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.234-240, 2007

Arson is not a major part of misbehavior of delinquents. However, we should not overlook this type of offence because arson could make a great damage on others' properties or lives at once. It is important to discuss why they commit arson and how we should treat them. This article focuses on motivation of juvenile fire setters. Two arson cases are mentioned and three different kinds of motives are discussed; hate, unhappiness, and reset of unpleasant situation. They may have damaged self-images and unpleasant feelings pile up inside them. Finally, they can not keep such feelings inside and vomit them by fire setting. They could have psychological problems and we must consider how we should treat them to avoid re-offence.
著者
小坂 浩嗣 佐藤 亨 末内 佳代 山下 一夫
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.160-170, 2011

This paper examined merits and demerits of naming parents who claim unreasonable things "monster?parents" ased on real cases. And, it described the movement of the educational world about "monster?parent" around 2007, based on newspaper articles and response?manuals made by school boards. Finally, it discussed how eachers should react the situation that it is difficult to have good relation with parents from the viewpoint of School Clinical Psychology.
著者
佐藤 亨
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.190-197, 2006

Recently, professionals and general public have been paying attention to sexual offenders. The reasons are (1) sexual offenses may cause seriously disruptive effects on victims, and (2) sexual offenders may keep their offense pattern for long period without appropriate treatment. They have several psychological problems, which are (3) negative self-image, (2) aggression toward females, (3) desire to contact with females, (4) low social skills, and (5) intolerance to stress. Important points in conducting a treatment for sexual offenders are to make sexual offenders motivate to change, and to make clear a process how they make themselves commit sexual offenses.
著者
佐藤 亨 奥田 良二 稲垣 伸一 佐藤 郁
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は19世紀におけるアイルランド移民について、大西洋をはさんだ4地域(南北アイルランド、アメリカ合衆国、カナダ)を取り上げ、多くの移民を送り出した「移民大国」アイルランドの移民前夜の状況、そして多くの移民を受け入れた「移民国家」カナダとアメリカ合衆国両国におけるアイルランド移民の影響を、さらには移民たちが外国に定住した後に祖国アイルランドに与えた影響を、歴史的・文化的・宗教的に検証し、「移民大国」と「移民国家」の内実を相互関係のうちに探求したものである。具体的には次の3点において明らかにした。(1)南北アイルランドにおける移民排出の歴史的背景についての考察(2)北米大陸にアイルランド移民が及ぼした社会的・文化的影響についての考察(3)移民を通してみたアイルランドと北米大陸の両地域の相互関連性についての考察。本研究の対象は大西洋をはさむ4地域であり、下記のように4人の研究者がそれぞれ一つの地域を担当する。南アイルランドからの移民(奥田良二)、北アイルランドからの移民(佐藤亨)、アメリカ合衆国への移民(稲垣伸一)、カナダへの移民(佐藤郁)。以上が担当地域であるが、研究方法や一次資料として用いたテキストは、統計(数値)をもとにした分析もあれば、詩や小説などの文学テキスト、あるいはソングなど多岐にわたる。なお、各研究者によって地域分担が決まっているものの、地域を横断するものが移民であるゆえ、南・北アイルランド担当者が北米大陸について、そして北米大陸担当者が南・北アイルランドについて言及した場合もある。また、本研究の成否は、各地域の研究を有機的に関連付けられるかどうかにかかっており、次の3点の具体的な作業を前提としたものである。(1)各地域についての先行研究(二次資料)の収集・読解(2)各地域における現地調査、及び一次資料の収集・読解・データベース化(3)研究者間の日常的な情報交換と定期的な研究会の実施。
著者
佐藤 亨至 三谷 英夫 メヒア マルコ A 伊藤 正敏
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.300-310, 1996-08
被引用文献数
8

咀嚼と脳賦活との関わりについての基礎的検討として, 若年者を対象として個体が示す顎顔面骨格構成および咬合形態によって, 咀嚼時の脳血流動態に差異が存在するかどうかについて調べるため, 酸素標識の水とポジトロンCT(PET)を用いて検討を行った.研究対象は, 21∿32歳の健常ボランティア男性6名である.それぞれ頭部X線規格写真の撮影と歯列模型の採得を行い, 顎顔面骨格構成および咬合について検討した.脳血流動態については安静時とガムベース咀嚼時にPETを用いて測定を行った.得られた脳血流画像について関心領域を設定し, ガム咀嚼に伴う局所脳血流(rCBF)の変化を求めて咬合や顔面形態との関連について検討した.その結果, ガム咀嚼による脳血流変化には個体差が大きいものの, 上・下顎骨に調和のとれたおおむね良好な咬合を有する者では, 1次運動感覚領下部(ローランド野), 島, 小脳半球などで明らかな脳血流の増大が認められた.一方, 顎顔面骨格や咬合に種々の問題を有する不正咬合者では咀嚼による脳血流変化が正常咬合者と異なる傾向が認められ, 1次運動感覚領下部や島での明らかな賦活は認められない者もいた.以上のことから, 咀嚼による脳の賦活化部位とその量は個体間でかなり変異に富んでおり, それには個体の示す顎顔面骨格構成および咬合とそれに関わる咀嚼運動様式が関与している可能性が示唆された.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.39-44, 1999-03-05
参考文献数
16
被引用文献数
7

夏季における新ソバ供給と水田の高度利用を目的にした, 西南暖地における夏ソバ栽培技術の確立に関する研究の一環として, 播種期の違いが夏ソバの生育ならびに収量に及ぼす影響について調査した. 普通ソバ品種キタワセソバの種子を, 愛媛大学農学部内の雨よけビニルハウスに設置したポットに3月中旬から6月初旬まで10日ごとに播種した. 播種期が遅くなるほど開花数は増加したが, 結実率の著しい低下により粒数が減少し, さらに千粒重も低下して子実重は減少した. 特に, 開花始〜成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えると結実率は顕著に低下した. したがって, 西南暖地における夏ソバの播種は, 遅霜の心配がなければできるだけ早く, かつ開花始〜成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えない時期までに終える必要があることが明らかになった. さらに, 瀬戸内地域においては遅霜と梅雨入り時期ならびに上記臨界温度を考慮すると, 播種期は3月下旬から4月中旬に限定されること, 4月中旬までに播種すれば収穫は6月初旬となり, 初夏には新ソバの供給ができるばかりでなく, その後作に水稲はもちろんダイズ, 飼料作物などの栽培も可能となり, ソバを水田における輪作体系に組み込むことができることも明らかになった.
著者
河原 淳人 岩堀 太紀 山川 宏 佐藤 亨 山本 衛 橋口 浩之
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.189-199, 2016 (Released:2016-06-05)
参考文献数
18

Shape estimation of space debris is an important task in evaluating its trajectory evolution and collision probability with resident objects in space. This paper shows the magnitude and rotation of space debris can be estimated by investigating the Doppler shift with a Single Range Doppler Interferometry (SRDI) method. The theory of SRDI method is discussed and its usefulness is confirmed by numerical simulations. Furthermore, fluctuation of Doppler shift of known space debris were successfully observed by the MU radar of Kyoto University and the size and spin rate of some space debris were successfully estimated.
著者
湖山 昌男 石山 直欣 渡邊 郁馬 佐藤 亨 腰原 好 牧野 正義
出版者
Japanese Society of Gerodontology
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.126-131, 1992

従来咀嚼能力の測定には様々なものが考案されている。しかしこれらは日常の食生活を考慮した測定方法とは必ずしもいえない。老年者に対する歯科医療の現場では「食べたいものが噛めない」という患者の声は切実であり, 日常の食事における食品と対応した咀嚼能力の判定が必要であると考えられる。そこで今回われわれは, 義歯に対して付着性が低く, 安心して食べることができ, 診療室内で簡単に咀嚼能力を判定できるものとしてゼリーを用い, 日常食品の物性に対応した試料の作製を試みた (G-1ゼリー) 。<BR>試料のゲル化剤には寒天とゼラチンを使用した。外形は13mm角の立方体であり, 一口では飲み込めない大きさを考慮した。物性については柳沢らの「咀嚼筋活動量による食物分類」を用いた。10のランクに分けられた食品群のうち, 実用的な最低ランク2と最高ランク10, そして中間の3つのランクを選び, 5段階の試料を作製した。味については, 一般的に好き嫌いが少ないと思われる柑橘系にした。この試料に対して健常成人10人による官能試験と当科外来患者24人に臨床試験を行った。その結果今回の試料が食品と対応し, 臨床的に簡便で有効な試料であることが確認された。
著者
佐藤 亨 宮内 英治 杉本 秀樹
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.305-310, 1988-06-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

サトイモの3つの型, 子イモ用品種(石川早生, 女早生), 親子イモ兼用品種(赤芽), 親イモ用品種(台湾芋)を圃場栽培し, 乾物生産およびイモ肥大特性を調査した. 1. 品種間で個体生長量に大差がみられた. イモ重の推移では, 子イモ用品種では, 子・孫イモの肥大が目立ち, 赤芽では親・子イモが, 台湾芋では親イモの肥大が生育末期まで続いた. 2. 乾物生産速度とイモ生産速度との関係は, 生育の前半と後半に分けられ, とくに, 赤芽と台湾芋では生育後半にイモ肥大によって乾物生産速度が高められた. 3. イモ生産速度と葉面積指数との関係は, 赤芽と台湾芋で葉面積指数が高くなることによってイモ生産速度が高まることが示唆された.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨 西原 定照 成松 克史
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.605-610, 1989-12-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
17
被引用文献数
5 4

本実験は, 尿素の葉面散布がダイズの湿害軽減に有効か否かを明らかにするために行ったものである。ポット栽培したダイズ (タマホマレ) を供試し, 開花期に湿潤 (地下水位5~7 cm), 湛水 (地上水位2~3 cm) ならびに適湿の各区を設け, 1%尿素液を葉面散布した。土壌の過湿処理は7日間, 葉面散布は14日間それぞれ継続した。湿潤ならびに湛水区では, 散布により葉身の窒素含有率が増加して光合成速度が高まり, 乾物生産が増大した。また, 莢数と百粒重が増加して子実収量も増大した。特に, 湿潤区では散布により, これらは対照区 (適湿・無散布) とほぼ同様の値となった。一方, 適湿区では散布効果は小さかった。以上の結果, 開花期のダイズは地下水位が5~7 cm程度の過湿条件におかれても, 尿素の葉面散布により障害をほぼ回避でき, また7日間湛水条件におかれたような場合でも, 散布により障害がある程度軽減されることが示唆された。
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.47-52, 1993-03-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
24
被引用文献数
7 5

本研究は, 窒素追肥がダイズにおける過湿障害の軽減に有効か否かを知るために行った. まず, 水田転換畑でダイズ品種タマホマレを栽培し, 花芽分化期に畦間に5~8cmの深さに水を溜めて8~11日間過湿処理を行い, 過湿処理終了後に硫安を窒素成分で12gm-2追肥した. 過湿・無追肥区における子実収量は無過湿・無追肥区に対して20%低下したが, 窒素追肥を行った過湿・追肥区では, 6%の低下に留まった. これは, 莢数減少の度合が軽減されたことに起因した. 次に, 窒素追肥によって莢数減少の度合が軽減されるメカニズムについて調べた. 水田土壌を充填したポットにタマホマレを栽培し, 花芽分化期に地下水位が5~7cmとなるようにポットを水槽につけた湿潤区, 地上水位が2~3cmとなるようにした湛水区, ならびに適宜灌水した適湿区を設け, 7日間の過湿処理終了後に, 各区のポットの半数に硫安をポット当り5g追肥した. 湿潤・無追肥区と湛水・無追肥区では, 葉身窒素含有率の減少が光合成速度の顕著な低下を招いたが, 窒素追肥をした湿潤・追肥区と湛水・追肥区では, 全窒素同化量が増大し, 葉身窒素含有率が上昇して光合成速度が増大した. 光合成速度の増大 (光合成産物の増大) は, 花器脱落の抑制をもたらし, その結果莢数減少の度合が軽減されたものと考えられた. 以上のように, 花芽分化期に過湿処理をしたダイズに窒素追肥を行ったところ, 子実収量の減少が軽減されたが, これは光合成速度増大による花器脱落の抑制に起因したと考えられた.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨 西原 定照 成松 克史
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.p605-610, 1989-12
被引用文献数
4

本実験は, 尿素の葉面散布がダイズの湿害軽減に有効か否かを明らかにするために行ったものである。ポット栽培したダイズ (タマホマレ) を供試し, 開花期に湿潤 (地下水位5〜7 cm), 湛水 (地上水位2〜3 cm) ならびに適湿の各区を設け, 1%尿素液を葉面散布した。土壌の過湿処理は7日間, 葉面散布は14日間それぞれ継続した。湿潤ならびに湛水区では, 散布により葉身の窒素含有率が増加して光合成速度が高まり, 乾物生産が増大した。また, 莢数と百粒重が増加して子実収量も増大した。特に, 湿潤区では散布により, これらは対照区 (適湿・無散布) とほぼ同様の値となった。一方, 適湿区では散布効果は小さかった。以上の結果, 開花期のダイズは地下水位が5〜7 cm程度の過湿条件におかれても, 尿素の葉面散布により障害をほぼ回避でき, また7日間湛水条件におかれたような場合でも, 散布により障害がある程度軽減されることが示唆された。
著者
丹羽 源男 岩上 智彦 佐藤 亨
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.65-71, 1998-04-20
参考文献数
8

歯科医師数の増加傾向ば急激であり,今後も増加し続けることが予想されている.歯科医師数を考える時,明治時代からの推移および背景を調べることは今後の歯科医師数を占う上で重要な参考になると思われる1884年(明治17年)〜1941年(昭和16年)まで歯科医籍に登録され届け出のあった歯科医師を対象に,男女別歯科医師数を求めた.その結果,全歯科医師数は大正時代に著しい増加が認められ,全体的な増加傾向は戦後のパターンと比較的類似しており,人口1万対歯科医師数も増加の一途であった.
著者
杉本 秀樹 雨宮 昭 佐藤 亨 竹之内 篤
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.71-76, 1988-03-05
被引用文献数
7

水田転換畑で栽培したダイズ(タマホマレ)の生育各期における土壌の過湿処理が, 乾物生産と子実収量に及ぼす影響について調査した. 処理は花芽分化期, 開花期および登熟中期にそれぞれ8-10日間, 畦間に5-8cmの深さに水を溜めて行った. 乾物生産と子実収量に及ぼす過湿処理の影響は, 生育時期が早いほど著しかった. 花芽分化期処理では主茎の伸長, 葉面積の拡大, 乾物重の増加が著しく抑制されるとともに, 莢数, 稔実莢歩合が低下することによって減収した. 開花期処理では, 栄養器官の生長抑制は軽減されたが, 莢数が低下することによって減収した. さらに, 登熟中期処理では, 黄葉期と落葉期が早められた結果, 乾物生産が減少して, 粒重の低下という形で減収した.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.39-44, 1999
被引用文献数
5

夏季における新ソバ供給と水田の高度利用を目的にした, 西南暖地における夏ソバ栽培技術の確立に関する研究の一環として, 播種期の違いが夏ソバの生育ならびに収量に及ぼす影響について調査した. 普通ソバ品種キタワセソバの種子を, 愛媛大学農学部内の雨よけビニルハウスに設置したポットに3月中旬から6月初旬まで10日ごとに播種した. 播種期が遅くなるほど開花数は増加したが, 結実率の著しい低下により粒数が減少し, さらに千粒重も低下して子実重は減少した. 特に, 開花始~成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えると結実率は顕著に低下した. したがって, 西南暖地における夏ソバの播種は, 遅霜の心配がなければできるだけ早く, かつ開花始~成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えない時期までに終える必要があることが明らかになった. さらに, 瀬戸内地域においては遅霜と梅雨入り時期ならびに上記臨界温度を考慮すると, 播種期は3月下旬から4月中旬に限定されること, 4月中旬までに播種すれば収穫は6月初旬となり, 初夏には新ソバの供給ができるばかりでなく, その後作に水稲はもちろんダイズ, 飼料作物などの栽培も可能となり, ソバを水田における輪作体系に組み込むことができることも明らかになった.
著者
杉本 秀樹 黒野 真伸 高野 圭子 河野 靖 佐藤 亨
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.24-30, 2000-03-05
参考文献数
15
被引用文献数
3

北条市の水田で(瀬戸内平野部)1997年に緑肥レンゲをすき込み夏ソバを栽培したところ, 気象条件に恵まれ無施肥で250g / m^2を越える比較的高い収量が得られた.1998年には北条市と本匠村(九州中山間地)の水田で, 冬季休閑した休閑区とレンゲをすき込んだレンゲ区とを設け夏ソバを栽培した.北条市では, 播種期前後の多雨のため苗立ちが揃わず, 全般に生育も阻害され収量も低かった.この傾向は休閑区で特に著しく, 同区の収穫は皆無に近かった.しかし, レンゲ区では112g / m^2と前年の47%の収穫があった.本匠村では開花期以降の降水量が平年の2.76倍にも達し, 粒数不足のため収量は低く, レンゲ区で219g / m^2, 休閑区ではさらに低く143g / m^2であった.北条市のように生育初期段階に, あるいは本匠村のように開花期以降に土壌過湿仁おかれた場合でも, 夏ソバの生育阻害ならびに減収の度合いはレンゲ区の方が休閑区より少なかった.以上の結果は, 緑肥レンゲの作付けとすき込みが, 夏ソバ栽培にとって有効であること, 夏ソバの湿害を軽減する効果があることを示唆するものである.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.189-193, 2000-06-05
参考文献数
13
被引用文献数
3

近年, ソバは転換畑で栽培されることが多くなったが, その栽培上の問題点の一つに湿害がある.ポット栽培した普通ソバ品種キタワセソバを供試して1葉期, 開花期および登熟期に, 畝間に水が溜まった状態を想定した湿潤区(地下水位5〜7cm), 圃場に水が溜まった状態を想定した湛水区(地上水位2〜3cm)ならびに対照区を設け, 処理日数を変えて土壌の過湿処理を行い, これらが収量, 収量構成要素および茎の諸形質に及ぼす影響について調査した.処理による子実重の低下は, 湿潤区, 湛水区とも生育段階が早いほど, 処理日数が長いほど著しかった.湿潤区においては, 1葉期および開花期では3日以内, 登熟期では6日以内の処理なら子実重の低下は10%以内にとどまった.一方, 湛水区においては, 1葉期では1日処理でも, 開花期および登熟期では3日以上で子実収量は顕著に低下した.湿潤区, 湛水区とも1葉期ならびに開花期における子実重の低下は粒数の減少に起因したが, これは植物体の矮小化, とくに分枝の発達不良, ならびに1分枝当たり開花数の不足による分枝開花数の減少が主因であった.湛水区・登熟期処理による子実重の低下は千粒重の低下に起因した.結実率は過湿条件下でも低下せず, 減収要因にはならなかった.