著者
山田 顕 多勢 克己 中村 僖良
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.871-875, 1992-12-01
被引用文献数
9

Durninにより理論的に導き出されたベッセル形の無回折ビームは、有限開口の場合でもある程度長い距離にわたり広がらずに伝搬することから音響の分野でも注目され、研究が進められている。本報では、このようなベッセル形と類似の長距離集束超音波ビームを形成する実用的な方法として、放射面に重み付けを施したコニカル形トランスジューサを提案し、その放射音場について理論的に検討した。その結果、重み付けコニカル形は連続波駆動時に有限の開口を持つベッセル形と同等の放射音場特性を示すこと、また、パルス駆動時にはサイドローブが平坦化され、パルス長も短くなるなど、ベッセル形よりも有利な点があることが明らかになった。