著者
遠藤 英樹 大磯 直毅 川田 暁 黒田 啓 多島 新吾
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.360-366, 2006 (Released:2011-02-18)
参考文献数
8

後天性掌蹠角化症患者30例を対象として,活性型ビタミンD3外用薬であるマキサカルシトール(オキサロール®)25μg/g軟膏を1日2回8週間外用し,有効性と安全性を検討した。(1)皮膚症状の紅斑,角化・鱗屑,亀裂について4週後と8週後に投与前に比して有意な改善が認められた(p‹0.05)。(2)中等度改善以上の有効率は4週後73.1(19/26)%,8週後74.1(20/27)%であった。(3)局所刺激を含む有害事象は認められなかった。(4)患者印象の好ましい以上は4週後80.8(21/26)%,8週後85.2(23/27)%であった。(5)有用度の有用以上は76.7(23/30)%であった。以上の点より活性型ビタミンD3外用薬であるマキサカルシトール25μg/g軟膏は後天性掌蹠角化症に対して有用性の高い薬剤である事が示唆された。