著者
多田 洋介
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.118-122, 2009 (Released:2011-12-03)
参考文献数
15

行動経済学を制度設計に応用する試みは,学界とは異なり政策現場では実証的な分析,規範的な政策提言ともに僅かな例しか存在しない.行動経済学を政策議論のツールとして応用することを阻みうる構造的な要因には非規範性,政府の失敗,倫理性,行動パターンの多様性と文脈依存性があり,政策応用の進歩には慎重かつ漸次的なアプローチが重要である.