著者
山崎博子 大原隆明 堂囿いくみ
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.75-88, 2004-03 (Released:2009-12-19)

跡見学園女子大学構内に植栽されているサクラの分布および同定調査を行った結果, 2003年10月現在, 全域にわたり合計166個体のサクラが植栽されていることが明らかになった。そのうち, 145個体30種類を同定することができたが, その主なものはサトザクラ類 (70個体, 全個体数に占める割合は42.2%), 野生型のヤマザクラ (32個体, 同19.3%), ソメイヨシノ (15個体, 同9.0%), 野生型のエドヒガン (8個体, 同4.8%) であった。最も一般的に植栽されるソメイヨシノの個体数が比較的少なく, 野生型のヤマザクラやエドヒガンが高頻度で見られるのは本調査地の特徴のひとつであると考えられる。サトザクラ類は計18品種を同定することができたが, このうち個体数が多かったものは 'イチョウ' (24個体) および 'カンザン' (17個体) の2品種のみであった。ヤマザクラやサトザクラの園芸品種中には 'コウダイジ' や 'ベニナンデン' といった栽培されることが稀なものが含まれていることも特徴的であった。なお, 今回同定できなかったものは21個体あったが, その内訳はサトザクラの一品種と思われるもの (2種類2個体) と品種名がない交雑品 (19個体) であった。
著者
大原 隆明 神戸 敏成 中田 政司
出版者
公益財団法人花と緑の銀行
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

北陸地方における菊咲き性サクラ栽培品種群の調査の結果、樹齢40年以上の古木が44個体確認された。中には4新品種が含まれており、3品種をニュウゼンオトメキクザクラ、ショウホウジキクザクラおよびシママチキクザクラと命名した。二季咲き性1新品種は‘コシノフユザクラ’として品種記載を行った。芽接ぎ法については活着率11.8%と低い値であり、芽接ぎでの増殖は効率の良い方法ではなかった。組織培養については、実験に用いた10品種すべてにおいて、成長点からシュートを誘導することに成功した。最も効果的な培地は1 mg/l BAPおよび5 mg/l GAを添加したWP培地であった。