著者
新谷 理恵子 佐藤 三穂 大友 里奈 佐藤 靖 佐藤 隆太 中山 瑛里 大萱生 一馬 奥村 美灯 逸見 奈緒 矢野 理香 髙橋 久美子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20210816139, (Released:2022-01-24)
参考文献数
18

目的:北海道の高度急性期医療を担う病棟看護師がCOVID-19患者の受け入れを開始してからどのような体験をして,どのような心理状況にあったかを明らかにする。方法:病棟看護師13名を対象にフォーカス・グループインタビューを行い質的に分析した。結果:【患者の受け入れ決定に対する葛藤】,【未知で新規の感染症であることに由来するつらさ】,【自分や家族の感染に対する不安】などを経験し,【看護を続ける中で生じるジレンマ】,【患者の看取りに関わる中での複雑な思い】を持っていた。一方で【病院が体制を整えようとしてくれていることへの安心感】,【協働しながら実践できているという思い】,【看護への責任と成長】を感じていた。結論:病棟看護師はつらさや葛藤といった心理状況があった一方で,看護を継続できている思いも持っていた。これらの経験の理解がより良い看護に向けた看護管理体制の整備に重要である。