- 著者
-
大垣 隆一
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.7, pp.696, 2016 (Released:2016-07-01)
- 参考文献数
- 3
真核生物における栄養シグナルとしてのアミノ酸は,細胞内代謝を司るセリン/スレオニンキナーゼ複合体mechanistic target of rapamycin complex1(mTORC1)を活性化し,タンパク質・脂質合成,オートファジーなど様々な細胞機能の調節を介して増殖・成長に寄与する.アミノ酸の中でもロイシンは特に高いmTORC1活性化能を有するが,ロイシンを直接認識するロイシンセンサーの分子実体は長らく不明であった.最近,WolfsonおよびChantranupongらによってストレス応答タンパク質のSestrin2がロイシンセンサーであると報告されたので,本稿で紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Wolfson R. L. et al., Science, 351, 43-48 (2016).2) Chantranupong L. et al., Cell Rep., 9, 1-8 (2014).3) Saxton R. et al., Science, 351, 53-58 (2016).