著者
仲嶺 マチ子 大城 守 天久 勇市 大城 喜光 慶留間 智厚 沢田 拓士 江崎 孝行
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1225-1227, 1992-12-15
被引用文献数
3

1990年11月に沖縄県で飼育されていたフランス鴨の1群200羽に元気食欲の廃絶, 起立不能, 下痢を主徴とする疾病が発生し50羽が死亡した. 死亡例の全臓器からPasteurella multocida subsp. multocidaが純粋に分離され, 芙膜抗原がCarterのA型, 菌体抗原がHeddlestonの3・4・12型, Namiokaの5 : A型と同定された. 病理学的検査では家禽コレラに特徴的な病変が認められた. 分離菌10^8個を90日齢ニワトリの静脈内に接種した結果21時間以内に全羽が死亡した. 以上の成績から, 本例はフランス鴨の家禽コレラの初発例と診断された.