著者
大堀 道広 纐纈 一起 南 忠夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.433-461, 1990-09-28

本論文は,不整形地盤の3次元問題について,解析手法を提案し,さらにこれを用いて堆積盆地の地震動特性の検討を行ったものである.まず, 2次元問題において不整形地盤を解析するための有力な手法と評価されているAL法を, 3次元問題への拡張するための定式化を行った.従来AL法による3次元解析では特に工学的に重要な平面S波入射の垂直入射問題を取り扱うことが困難とされていた.この問題を,ベクトル・ポテンシャルによる変位の表現式を工夫することにより解決した.そして,提案した解析手法の妥当性と作成したプログラムの信頼性を確認するために,他の手法により示されている軸対称堆積盆地についての解析結果と比較したところ,良い一致を示した.続いて,これまで取り扱われることの少なかった3次元地下構造を有する堆積盆地の地震動特性を,軸対称問題ばかりでなく,非軸対称問題についてもAL法による3次元解析を行い,得られた周波数応答および時刻歴応答を1次元解析および2次元解析による応答と比較検討した.その結果, 1次元解析よりも2次元解析, 2次元解析よりも3次元解析というように,解析する次元が高くなるにつれて,堆積盆地の地表動には,より短周期の波動が励起され,振幅もより大きくなり,継続時間もより長くなるという傾向が見られた.これは, 3次元的な地下構造が地震動に与える影響が非常に大きいことを示唆している.
著者
大堀 道広 纐纈 一起 南 忠夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.433-461, 1990-09-28

本論文は,不整形地盤の3次元問題について,解析手法を提案し,さらにこれを用いて堆積盆地の地震動特性の検討を行ったものである.まず, 2次元問題において不整形地盤を解析するための有力な手法と評価されているAL法を, 3次元問題への拡張するための定式化を行った.従来AL法による3次元解析では特に工学的に重要な平面S波入射の垂直入射問題を取り扱うことが困難とされていた.この問題を,ベクトル・ポテンシャルによる変位の表現式を工夫することにより解決した.そして,提案した解析手法の妥当性と作成したプログラムの信頼性を確認するために,他の手法により示されている軸対称堆積盆地についての解析結果と比較したところ,良い一致を示した.続いて,これまで取り扱われることの少なかった3次元地下構造を有する堆積盆地の地震動特性を,軸対称問題ばかりでなく,非軸対称問題についてもAL法による3次元解析を行い,得られた周波数応答および時刻歴応答を1次元解析および2次元解析による応答と比較検討した.その結果, 1次元解析よりも2次元解析, 2次元解析よりも3次元解析というように,解析する次元が高くなるにつれて,堆積盆地の地表動には,より短周期の波動が励起され,振幅もより大きくなり,継続時間もより長くなるという傾向が見られた.これは, 3次元的な地下構造が地震動に与える影響が非常に大きいことを示唆している.
著者
堀内 茂木 入倉 孝次郎 中村 洋光 青井 真 山田 真澄 干場 充之 正木 和明 香川 敬生 正木 和明 倉橋 奨 香川 敬生 大堀 道広 福島 美光 山本 俊六 赤澤 隆士 松崎 伸一 呉 長江 ZHAO Jhon
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

東南海、南海、東海等の巨大地震発生時に、面的震源をリアルタイムで推定するための開発を行なった。P波部分の震度の距離減衰式を調べ、P波部分も震源域で飽和することが示された。震度の観測データやシミュレーションデータを使い、震源域の広がりをリアルタイムで推定する手法を開発した。また、速度や加速度の最大値から、断層近傍であるかを判定し、震源域を推定する方法も開発し、リアルタイムでの巨大地震情報配信の目処がたった。