著者
石井 智之 熊谷 敏 大場 允晶
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.249-259, 2015 (Released:2015-03-10)
参考文献数
21

近年の低成長期において価格競争が激化し,単一のコスト変動要因にのみに着目して,限界利益のみを見る経営が困難になりつつある.また,市場環境の変化に対して製品のコストや損益がどのように変化するかを迅速に把握する必要がある.本研究ではプロセスモデリングをコスト計算に応用し,市場環境の変化に即応して,製品のコストや損益を構造的かつ詳細に把握できるコスト管理方法を提案する.  プロセスモデルでは,コスト変動要因毎に,トランザクションと呼ぶアクティビティの集合を定義する.そして材料費,設備費などのコストをアクティビティ毎に把握する.そしてプロセスモデルをコスト構造マトリックスに変換し,市場環境変化を与えたときのコストと損益の算出方法を明らかにする.これにより経営状況の変化に対応でき,数値的な根拠を意思決定の際に与えるコスト管理モデルを提供する.
著者
大宮 望 山本 久志 大場 允晶 丸山 友希夫 中邨 良樹
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.92-99, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
13

近年,情報システムは企業にとって経営上,なくてはならない存在となってきている.情報システムの保守工程は,開発工程より費用が多く掛るといわれており,経営課題の一つとなっている.その原因の一つに,バグに関係する問い合わせがある.この問い合わせは,発生することを予測することが出来ないため,準備が出来ずに対応に多くの時間を要する.バグに関係する問い合わせが発生する要因については,様々な研究がなされているが,明確な分析はなされていない.そこで本研究では,バグに関係する問い合わせの内容,時間及び件数をクラスタ分析し,考察することによって,その発生要因を明らかにする.これをもとにバグに関する問い合わせの発生を,予測するモデルを提案する.これに加えて,予測モデルを実現場で利用するために「情報提供シート」も合わせて提案する.