著者
大宮 望 山本 久志 大場 允晶 丸山 友希夫 中邨 良樹
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.92-99, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
13

近年,情報システムは企業にとって経営上,なくてはならない存在となってきている.情報システムの保守工程は,開発工程より費用が多く掛るといわれており,経営課題の一つとなっている.その原因の一つに,バグに関係する問い合わせがある.この問い合わせは,発生することを予測することが出来ないため,準備が出来ずに対応に多くの時間を要する.バグに関係する問い合わせが発生する要因については,様々な研究がなされているが,明確な分析はなされていない.そこで本研究では,バグに関係する問い合わせの内容,時間及び件数をクラスタ分析し,考察することによって,その発生要因を明らかにする.これをもとにバグに関する問い合わせの発生を,予測するモデルを提案する.これに加えて,予測モデルを実現場で利用するために「情報提供シート」も合わせて提案する.
著者
丸山 友希夫 松本 耕成 山本 久志 中澤 智秀 田邊 昌宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.283-292, 2004-12-15
被引用文献数
3

1日の配水量予測については, 需要に影響を与える要素と配水量との相関関係から, 重回帰分析による予測方法が提案されている.本論文では, 給水地域の経済状況の変化等をトレンドとして考慮した1日の配水量予測の方法を提案し, 実測値と予測値の予測誤差率を用いて予測精度の評価を行ったところ, 既存研究より予測精度が向上する結果を導いた.さらに, 予測精度は予測式を導く際に必要となる調整要素に関わると考え, 予測精度を向上させると考えられる調整要素について統計的手法を適用して追及した.その結果, 本論文における予測範囲内においては, 予測方法, 回帰データ選定期間, 使用した過去年数に有意差が認められた.
著者
山本 久志 浜田 康平 長塚 豪己
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.218-225, 2009-10-15 (Released:2017-11-01)
参考文献数
16

ある試行列において,同じ結果がk回またはk回以上連続して発生したものをオーダーkの連と呼ぶ.本論文では.s種類の結果を有するn回の試行におけるオーダーkの連の数の確率分布について考える.連を数える方法として4種類のカウント方法が提案されているが,本論文では,オーバーラップを許さない場合(TYPE I)にオーダーkの連の数の確率分布を効率的に計算するための算出方法を提案する.そして,提案した算出方法の効率性の評価のために計算時間オーダーを求め,さらに数値実験により全数列挙法と計算時間の比較を行う.その結果,本論文で提案する算出方法が,特に試行回数nが大きなシステムにおいて効果的である事を示す.
著者
高橋 奈津美 山本 久志 秋葉 知昭 肖 霄
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.232-243, 2018-01-15 (Released:2018-02-15)
参考文献数
9

本論文は,全点間信頼度と総コストの2つの評価尺度を考慮したネットワーク設計問題に対し,効率的なパレート最適解探索アルゴリズムの提案を目的とする.従来のアルゴリズムは全点間信頼度の算出に対して効果的なアルゴリズムであるものの,全ての部分ネットワークについて全点間信頼度とコストの計算を行っているため,パレート最適解の探索の際には,エッジ数が増加するにつれ多くの計算時間を必要とする課題があった.効率的なパレート最適解探索のために,本論文では,連結されるエッジの効率やパレート最適解のランクなど,パレート最適解となる部分ネットワークが持つ要素を調査した.そして得られた傾向と性質を踏まえ,計算が必要な部分ネットワークの制限を行う方法を提案する.この探索空間の制限により,得られる最適解がパレート最適解の真部分集合となるため,提案手法のパレート最適解探索の精度と計算時間の評価を行う.