著者
山田 茂 大場充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.821-828, 1986-08-15
被引用文献数
11

本論文では ソフトウェアの信頼性評価のために開発された二つの代表的なS字形ソフトウェア信頼度成長モデルについて議論する.これらのモデルは ソフトウェア開発の最終段階である試験において 発見された総ソフトウェアエラー数がS字形成長曲線を示す現象を記述するものである.このようなエラー発見事象は 確率事象として取り扱うことにより 非同次ポアソン過程という確率過程を導入してモデル化することが可能となる.ここで考察の対象となるのは 遅延S字形ソフトウェア信頼度成長モデルおよび習熟S字形ソフトウェア信頼度成長モデルである.各モデルの特性について ソフトウェアの信頼度成長を把握する1指標であるエラー発見率により考察する.このエラー発見率としては 瞬間エラー発見率と1個当りのエラー発見率を考え 実際のソフトウェアエラーデータに対する適用例により各モデルの特性を明らかにする.