著者
中澤 努 中島 礼 植木 岳雪 田辺 晋 大嶋 秀明 堀内 誠示
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.5, pp.349-368, 2006 (Released:2006-09-14)
参考文献数
58
被引用文献数
7 12

大宮台地の地下に分布する更新統下総層群木下層の形成過程について,コアの層相および産出する化石群集を基にシーケンス層序学的な検討を行った.大宮地域の木下層は,開析谷システムにより形成された下部とバリアー島システムによって形成された上部に分けられ,下部および上部のそれぞれに上方細粒化と上方粗粒化のセットからなる堆積相累重様式が認められる.花粉化石とテフロクロノロジーおよびMISカーブの対比に基づくと,下部はMIS6~5e前期,上部はMIS5e後期に対比され,下部の開析谷システムは低海面期堆積体および海進期堆積体,上部のバリアー島システムは高海面期堆積体と解釈される.
著者
中澤 努 中里 裕臣 大嶋 秀明 堀内 誠示
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.2, pp.49-63, 2009-02-15
被引用文献数
7

関東平野中央部,埼玉県越谷(こしがや)市大杉(おおすぎ)で掘削したGS-KS-1コアにおいて,層相,テフラ,花粉化石,珪藻化石の解析を基に,房総半島の上総-下総層群境界に相当する海洋酸素同位体ステージ(MIS)12層準の特定を試みた.検討の結果,掘削地点でのMIS12層準は,内湾相基底のベイラビンメント面に相当すると考えられ,河川チャネル成の粗粒堆積物は伴わないことが明らかになった.また,MIS 12層準直下の上総層群上部相当層は,下総層群と同様の陸成層と海成層の互層からなり,関東平野中央部では,房総半島の上総-下総層群境界に相当する層準の上下で,房総半島でみられるような層相の大きな違いはないことが明らかになった.