- 著者
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永塚 規衣
大野 隆司
大川 祐輔
河村 フジ子
長尾 慶子
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.4, pp.364-370, 2003-11-20
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
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ゼラチン溶液に糖及びアルコールを添加した場合のゲル化機構を動粘度モニタリングシステム,旋光度,動的粘弾性,レオメータの測定により検討した結果を以下にまとめた。1)糖及びアルコールの添加はアルカリ処理低温抽出ゼラチンのゾル-ゲル変換に影響を及ぼした。糖添加によりゲル化開始時間は短く,ゲル化が完了した時間は長く,ゲル化温度は高くなった。一方,エタノール20%添加ではゲル化開始時間,ゲル化時間は長く,ゲル化温度を低下させた。2)本試料ゼラチンのゲル化では,粘性率の増加から始まり,続いて弾性率の増加が起こり,最後に旋光度という順で変化が起きていた。3)ソルビトール添加はゼラチン分子のへリックス形成に有効であり,弾性率も上昇し,硬いゲルを形成したが,高濃度のエタノール添加はゼラチンのヘリックス形成に抑制的に働き,弾性率も低下し、破断波形において延性を増した。