著者
町田 和梨 榎本 恭介 飯田 麻紗子 大平 有記 荒井 弘和
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = BULLETIN OF Sports Research Center, HOSEI UNIVERSITY (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.31-36, 2023-03-31

本研究の目的は運動部に所属する女子大学生アスリートを対象に,練習の前と試合の前における化粧行動の有無,化粧行動に関する工夫について調査を行い,女子大学生アスリートの化粧行動の実態を探索的に調査することであった。分析の結果,練習前(50.0%)・試合前(51.3%)ともに,化粧行動を「絶対にしない」と回答した者が最も多かった。一方で,練習前(9.1%)・試合前(13.6%)ともに,化粧行動を「絶対にする」と回答した者が一定数いることがわかった。女性アスリートの中には,「競技者としての自己」と「女性としての自己」を分けて捉えてしまう者もいるが,化粧行動は,2つの自己をつなぎ合わせる行動になり得る。今後は,化粧行動と競技パフォーマンスとの関連や,化粧行動と競技に伴うストレス反応との関連を検討することが期待される。