著者
矢田 拓也 川崎 翼 大平 雅弘
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.845-850, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
20

〔目的〕肩甲骨アライメントを修正することを目的とした介入による,脳腫瘍患者のバランス機能,歩行能力の改善効果を検討した.〔対象と方法〕左上下肢不全麻痺により歩行不安定性を呈した脳腫瘍患者1名に対し,肩甲胸郭関節の安定化訓練と立位,歩行訓練を40分の介入で5日間行わせた.肩甲骨アライメント,立位時の身体重心,バランス,歩行評価から治療効果を検証した.〔結果〕介入によって,立位,歩行時の肩甲骨アライメントは修正され,バランス機能,歩行能力は向上した.〔結語〕脳腫瘍不全麻痺患者に対して肩甲骨アライメントを修正する運動療法は,バランス機能,歩行能力向上に有効であることが示唆された.