著者
大日方 聡 渡辺 一弘 高野 裕美 中挟 知延子 芝野 耕司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.199-200, 1993-03-01

誰もが簡単な操作方法で、使いやすく、検索し易い図書館システムはどのようにしたら出来るのであろうか?現在のほとんどの図書館データベースは、使いやすくなってきているが、それでも、図書カードの機能拡張版でしかない。情報検索の本質は、事務用データベースと違い検索要求が曖昧なところにある。利用者の満足は、この曖昧なものの検索の結果、当てはまるものがあってはじめて得られるものである。今までの図書館ではこうした暖昧な要求に、開架式の書架を増やすことで答えてきた。この点に注目し、全開架型図書館を目指したのがこのシステムである。図書館の形態からいままで実現が困難であったこの全開架型図書館をマルチメディア技術の利用によって図書館内の環境を仮想空間で表現し、仮想図書館内を探訪することによって検索を可能とした。このシステムを活用することによって、図書館内のすべての蔵書を最大限活用するため、開架、閉架の区別なく検索をおこなうことができる。バーチャルライブラリの特徴として検索の際に対象とできる項目の多さを挙げることが出来る。図書館の本を探す場合に人々はどのように本を探すのであろうか。書籍の名前が分かっていない限り、項目別の棚にきちんと並んだ本の中から段々と絞りこんで一冊を選ぶのであるが、このシステムには、目から得られる,情報を考慮に入れ、利用者がまわりの図書からの関連情報をも得ることが出来るからである。あわせて、クライアントサーバ型データベースを導入することも検討する。