- 著者
 
          - 
             
             久保 富洋
             
             米津 貴久
             
             長尾 明典
             
             蛭子 法子
             
             木暮 信一
             
             松田 芳樹
             
             小松 光昭
             
             石井 良夫
             
             渡辺 一弘
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.29, no.1, pp.18-25, 2008-04-15 (Released:2009-05-21)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 25
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             5
             
             
             1
             
             
          
        
 
        
        
        近年,低出力レーザーを用いた治療やその研究に対して大きな注目が寄せられている.おもに神経や筋,皮膚組織が対象とされ,その効果として鎮痛や再生・修復の促進というポジティブな報告がされている.しかし,多数の実験報告や臨床報告はあるものの,その作用機序や効果の最適条件については未だに不明な点が多い.われわれはアフリカツメガエル(♂)の坐骨神経-腓腹筋標本を用いて,その筋収縮への低出力レーザー照射(Nd:YVO4, 532 nm, 100 mW)には振幅の減衰を遅延させる効果があることを報告した.そこで今回は測定した筋の単収縮曲線を(1)潜時,(2)収縮期の長さ,(3)弛緩期の長さの三つの観点から波形解析し,低出力レーザー照射効果が筋収縮のどの部分に強く現れるのかを検討した.実験にはアフリカツメガエルの坐骨神経-腓腹筋標本を用いた.坐骨神経を極大刺激強度(1 ms pulse, 1Hz)で刺激し,誘発される腓腹筋の収縮を張力トランスデューサーを通して記録した.1匹の個体から取り出した2つの標本を用いて,10分間の連続刺激を同時に行い,一方をレーザー照射を加えた実験群とし,他方を非照射群とした.その結果,収縮期の変化において両群には有意差が観測され(p