著者
西根 勤 大杉 義彰
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.761-765, 2005-06-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
4

ポストゲノムの時流の中で,より生命の本質にせまるべくプロテオームと総括される網羅的たんぱく質解析が,方法論の検討段階から結実期を迎えつつある.RNA発現プロファイルとたんぱく質発現プロファイルの相関が低いといわれているように,遺伝情報のみから生命の実体であるたんぱく質の構造と機能を解明することは難しい.また,たんぱく質を調べることは,新規診断や創薬につながる可能性を秘めており,プロテオームはゲノム同様に大いに期待されている.プロテオミクスの進展には,いくつかのブレークスルーが必要であったが,その一つが質量分析技術の発達である.