著者
大村 雅章 江藤 望
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.113-120, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
38

本研究は,イタリア・ルネサンス期に活躍した,カルロ・クリヴェッリのテンペラ画に多用された石膏地盛り上げ技法について,実証実験を通して明らかにするものである。これまで,フラ・アンジェリコが描いたフィレンツェのサン・マルコ修道院のフレスコ壁画,『受胎告知』と『磔と聖人たち』の円光について,チェンニーノ・チェンニーニの技法書「絵画術の書」に則って実証実験を行ったところ,板絵テンペラ画の円光技法を転用したことが解明できた。次に,調査をルネサンス期前後におけるテンペラ画の工芸的装飾技法に拡大したところ,カルロ・クリヴェッリの傑作である『マグラダのマリア』(アムステルダム国立美術館所蔵)の石膏地盛り上げ技法に特異性が見られた。あえてルネサンス盛期に伝統的な板絵テンペラ画にこだわり,採用された彼の石膏地盛り上げ技法の再現と検証を行う。
著者
林 一彦 渡邉 佳恵 大村 雅 木場 秀夫
出版者
日本身体障害者補助犬学会
雑誌
日本補助犬科学研究 (ISSN:18818978)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.40-43, 2010

一般に、歯が折れたり欠けたりすることは破折と呼ばれている。犬においては、歯の破折は比較的しばしば認められる歯牙の実質欠損である。今回、著者らは2例の介助犬の歯の破折を治療する機会を得たので、その病態と治療方法について供覧する。また、その発生機序についても若干の考察を加えた。症例は2例とも上顎第4前臼歯が斜めに破折(斜折)しており、歯髄は露出していた。治療としては生活歯髄切断術と歯髄覆罩を行なったのちに光重合型コンポジットレジンで充填した。上顎第4前臼歯の斜折は硬いものをかんだ時に生ずる典型的な破折であるため、ストレス解消のために与えた硬いチュウトイが原因と推察された。したがって、今後は硬いチュウトイの代替となるストレス解消法を模索する必要があるのではないかと思われた。
著者
林 一彦 渡邉 佳恵 大村 雅 木場 秀夫
出版者
日本身体障害者補助犬学会
雑誌
日本補助犬科学研究 (ISSN:18818978)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.40-43, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
4

一般に、歯が折れたり欠けたりすることは破折と呼ばれている。犬においては、歯の破折は比較的しばしば認められる歯牙の実質欠損である。今回、著者らは2例の介助犬の歯の破折を治療する機会を得たので、その病態と治療方法について供覧する。また、その発生機序についても若干の考察を加えた。症例は2例とも上顎第4前臼歯が斜めに破折(斜折)しており、歯髄は露出していた。治療としては生活歯髄切断術と歯髄覆罩を行なったのちに光重合型コンポジットレジンで充填した。上顎第4前臼歯の斜折は硬いものをかんだ時に生ずる典型的な破折であるため、ストレス解消のために与えた硬いチュウトイが原因と推察された。したがって、今後は硬いチュウトイの代替となるストレス解消法を模索する必要があるのではないかと思われた。