著者
大松 慶子 石井 良和 山田 孝
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.68-80, 2015-09-25 (Released:2017-10-27)

我が国の作業療法士が使用する意味のある作業,価値を置く作業,重要な作業など(以下,意味のある作業と略)の内容と特性を,内容分析を用いて検討した。対象は国内で1995年度から2010年度に発表されたこれらの言葉を用いた26件の事例報告論文である。結果生成したのは《自ら意思表示した》《興味がある》《生活史の中にある》《心身機能と行動の改善を促す》《他者との関係に変化をもたらす》《希望をもたらす》《新たな自分につながる》の7カテゴリーであった。作業療法士はこのうち《自ら意思表示した》《生活史の中にある》《新たな自分につながる》のどれかのカテゴリーを含む作業を,意味のある作業とみなす傾向があると考えられた。意味のある作業は,クライエントの自分に対する理解と人生にかかわり新たな自分を再構築する,作業療法士が援助する作業であると考えられた。
著者
大松 慶子 石井 良和 山田 孝
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.68-80, 2015-09

我が国の作業療法士が使用する意味のある作業,価値を置く作業,重要な作業など(以下,意味のある作業と略)の内容と特性を,内容分析を用いて検討した。対象は国内で1995 年度から2010 年度に発表されたこれらの言葉を用いた26 件の事例報告論文である。結果,生成したのは《自ら意思表示した》《興味がある》《生活史の中にある》《心身機能と行動の改善を促す》《他者との関係に変化をもたらす》《希望をもたらす》《新たな自分につながる》の7 カテゴリーであった。作業療法士はこのうち《自ら意思表示した》《生活史の中にある》《新たな自分につながる》のどれかのカテゴリーを含む作業を,意味のある作業とみなす傾向があると考えられた。意味のある作業は,クライエントの自分に対する理解と人生にかかわり新たな自分を再構築する,作業療法士が援助する作業であると考えられた。
著者
大松 慶子 石井 良和 山田 孝
出版者
日本作業行動学会
雑誌
作業行動研究 (ISSN:09195300)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.176-182, 2012-12

1995年~2010年の日本作業療法学会における意味のある作業とその類似の言葉を使用した抄録を基に,その言葉の使用状況を検討した.その結果,件数は1997年以降2008年までは1桁,2009年以降は2桁とわずかではあるが増加していた.また,意味のある作業とその類似の言葉には「意味」「重要」「価値」の言葉とその組み合わせが頻繁に用いられ,その中でも「意味」が最も多く用いられていた.これらの過程は,日本の作業療法士がクライエントの持つ価値や作業に注目した新たなパラダイムを受け入れていく過程を示していると考えられた.今後,意味のある作業とその類似の言葉の内容と関係を検討することが必要である.