著者
大林 一平
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.7-14, 2017 (Released:2017-03-25)
参考文献数
11

Persistence homology is an important tool for topological data analysis(TDA), and a persistence diagram is a visualization tool of persistent homology. We can compute the geometric features of the data quantitatively using persistence diagrams. When using persistence diagrams, we often want to know which part of the input data is related to the geometric features shown in the persistence diagram. In this paper, we show some approaches to the problem.
著者
國府 寛司 大林 一平
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.68-77, 2015-06-05 (Released:2015-07-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1

時間と共に変化する現象の多くは,非線型力学系として捉えられ,それを数理的に良く理解することで,現象の予測や制御が可能になる.しかし現実の現象のダイナミクスは,その非線型性や規模の大きさのために数学的解析が困難であり,数値シミュレーションも容易でないことが多い.また,物理的現象のように,その現象を理解するための法則が第一原理として与えられる場合を除けば,現象を数理的に記述する絶対的な基本法則が存在せず,異なる観点から複数の数理モデルが導かれる場合には,現象のダイナミクスの本質をそれらの数理モデルからどのように理解すれば良いかも必ずしも明らかではない.本論説では,非線型現象のダイナミクスの相空間の大域的構造の最も粗い情報に着目して,その現象を表現する数理モデルに過度に依存しない形で抽出することで,複数の数理モデルを貫く現象のダイナミクスの本質を見出そうとする試みを,筆者らの最近の研究に基づき,技術的細部は大胆に省略して,その考え方の骨格を紹介したい.