- 著者
-
北条 聡子
藤田 次郎
大林 由佳
大西 隆行
山地 康文
岡田 宏基
高原 二郎
- 出版者
- The Japanese Respiratory Society
- 雑誌
- 日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.11, pp.1259-1264, 1997-11-25 (Released:2010-02-23)
- 参考文献数
- 14
日本人とドイツ系アメリカ人との混血であり, かつ双生児の姉妹に発症した嚢胞性線維症を経験した. 1例は胎便イレウスにて発症し, もう1例は6歳時にアスペルギルス肺炎で発症した. 2例とも消化酵素, ビタミン剤, 周期的な抗生物質での治療, 最近では体内留置力テーテルによる在宅の抗生物質静注療法, およびDNase吸入療法にて23歳の現在も比較的良好な経過をたどっている. 19歳時 cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR) 遺伝子異常のスクリーニングをうけ, ΔF508変異を指摘された. 今回この症例と母親の遺伝子解析の結果, 新たにCFTR遺伝子の exon 7 (R347H) と exon 16 (D979A) の missense mutation が明らかになった. 長期生存に加え, 遺伝子学的な検討を行った興味深い症例と考えられたのでここに報告する.