著者
行方 浩二 高森 繁 田中 岳史 丸山 俊郎 大橋 薫 児島 邦明 深澤 正樹 別府 倫兄 二川 俊二
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.808-812, 1997-10-25 (Released:2009-08-13)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

汎発性腹膜炎を契機として発見されたMeckel憩室原発平滑筋肉腫穿孔の1例を経験した。症例は48歳, 男性。嘔吐, 発熱, 右下腹部痛を主訴に来院し, 急性腹症, 汎発性腹膜炎の診断にて緊急開腹手術を施行した。回盲弁より100cm口側の回腸に憩室を認め, その先端に7.5×7×6.5cmの弾性軟・被膜を有する腫瘍が存在していた。腫瘍は破裂し膿瘍が付着, 一部は大網に覆われていた。術式は回腸部分切除+腹腔ドレナージ術を施行した。病理組織学的には, 腫瘍は核の大小不同を示す異型性の強い紡錘形細胞が増生し核分裂像もみられており, Meckel憩室原発平滑筋肉腫を伴った, Meckel憩室穿孔と診断した。Meckel憩室が平滑筋肉腫を伴った症例は, 本邦で7例しか報告されておらず若干の文献的考察を含めて報告する。
著者
新崎 盛暉 大橋 薫 大嶺 哲雄 高良 有政 平良 研一 佐久川 政一
出版者
沖縄大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

今年度は, 昭和60年度の沖繩本島・久米島地区, 昭和61年度の宮古・八重山地区において実施した「家族の実態と意識に関する調査」の集計結果を各班・全体会議等で解析・検討するとともに, 過去2年間の各自担当領域の調査研究成果の発表と相互の意見交換を重ねながら研究を進めた.その結果, 戦後沖繩における産業経済および社会の展開様式には, 27年余も続いた米国統治が大きく影響し, それは現在でも完全に払拭されてないなことが確認された. 同時に, 復帰後の社会変動も著しく, 政治・経済・社会・文化の諸相において「本土化」の様相が強くなっていることも確認された. したがって, 家族生活や親族組織等も変容の過程にあり, 家族問題も多様化・複雑化している. しかし, 生活や行動様式の基層においては, 沖繩的特性の残存も認められる. また, 当該問題の関連領域の総体においては本土化=標準化傾向が強くみられるものの, 人口・家族構成, 就業構造, 相続形態, 配偶者選択, ユタへの対応等においては沖繩内部における地域的差異も依然として存在することが確認された.