- 著者
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大江 浩
- 出版者
- 国際ボランティア学会
- 雑誌
- ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.27-40, 2012-07-31
3.11。大地震・大津波そして原発事故。死者・行方不明は約2万人。私たちは、東日本大震災という悲劇に遭遇し、今も忘れえぬ生々しい記憶と共に生きている。本稿は、阪神・淡路大震災(1995)の復興支援、そしてその後の国内外の災害支援の現場、そして今3.11の支援に関わる体験者からの「現場の声」である。テーマは、「災害と惨事ストレス」、そして「支援者のケア」である。災害は、悲痛な体験と共に死別・喪失をもたらす。明日の見えない絶望のトンネルの只中にあって、Survivor's Guiltを生きる被災者。しかしその「深く傷ついた人々の想い」に寄り添う支援者も「傷ついている」。支援者は共感すると同時に負いきれぬ想いにつぶれそうになる。限界を感じ、時に挫折し燃え尽きそして孤立化する。 日本では危機介入従事者や支援者のトラウマに対する認識が高くなく、ケアの取り組みが遅れている。筆者が受けた米国での研修と米国での取り組みからの学び、災害支援の現場での様々な事例、そして精神保健・心理支援の専門家の至言を交えながら、「支援者の必要性」について考察していきたい。