著者
大石 裕司 大沼 晃浩 眞下 大輔 高瀬 誠由
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.5, pp.281-291, 2023-05-01

ローカル5Gは既設ネットワークから分離して敷設されうるが,ローカル5Gネットワークから既設ネットワーク内システムの利用のために相互接続の需要がある.一方でローカル5Gネットワークと既設ネットワークとの間には,(1)アドレス体系が独立でありネットワーク管理レイヤが異なるため,既設ネットワークからローカル5G端末を識別・管理できない,(2)セキュリティレベルの低いローカル5Gネットワークにより既設ネットワークのセキュリティリスクが増大する,という二つのギャップがあり相互接続が許可されない.本論文では解決技術として,(1)レイヤ間でアドレスを変換し既設ネットワークからローカル5G端末を識別・管理させる「レイヤ間アドレス変換」,(2)ローカル5Gネットワークから既設ネットワークへの通信範囲を限定する「既設ネットワーク内トンネリング」の二つの手法を提案した.提案手法をソフトウェアにより実装し,実際のローカル5Gネットワークと実際の社内ネットワークを用いて評価を行った.結果として,提案手法にて二つのギャップを解決し,ローカル5Gネットワークと既設ネットワーク間で相互接続できることを確認した.