著者
木戸 伸英 山本 裕彦 亀ヶ谷 千尋 大浦 篤志 飯野 雄治 山本 芳郎
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.121-126, 2010

10か月齢のオスのスーチョワンバーラル(<I>Pseudois nayaur szechuanensis</I>)が,排尿困難の症状を示した。身体検査,血清生化学検査およびX線検査の結果から尿道閉塞が示唆され,尿道切開術が行われた。術後,重篤な尿毒症が認められたが,輸液療法により治癒した。結石は炭酸カルシウムにより形成されていた。尿道切開術は上行性泌尿器感染症の危険性が低く,排尿や繁殖といった正常な行動を維持することができる。術後2年経過したが,本バーラルは正常な排尿を続けている。