著者
大浦圭一郎 間瀬 絢美 山田 知彦 徳田 恵一 後藤 真孝
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp.1-8, 2010-07-21
被引用文献数
3

近年,コンピュータによる歌声合成が注目を集めている.中でも隠れマルコフモデル(hidden Markov model; HMM)に基づく歌声合成では,歌い手の特徴を歌声データと対応する楽譜から自動的に学習することができる.2009年12月,無料のオンラインサービス「HMM歌声合成システム: Sinsy」を開始した.ユーザーは楽譜をウェブサイトにアップロードすることで,任意の楽譜に対応した歌声を合成することができる.但し,Sinsyの歌声モデルには70曲で学習した特定話者モデルを用いており,新しい歌い手の歌声モデル追加の際の収録コストが高くなる問題があった.本稿ではSinsyのシステム構成について述べるとともに,話者適応手法により少量のデータから所望の歌い手の特徴を再現した歌声を合成することを検討する.A statistical parametric approach to singing voice synthesis based on hidden Markov models (HMMs) has been grown over the last few years. In this approach, spectrum, excitation, and duration of singing voices are simultaneously modeled by context-dependent HMMs, and waveforms are generated from HMMs themselves. Since December 2009, we started a free on-line service named "Sinsy." By uploading musical scores represented by MusicXML to the Sinsy website, users can obtain synthesized singing voices. However, a high recording cost may be required to train new singer's model because a speakerdependent model trained by using 70 songs is used in Sinsy. The present paper describes the recent developments of Sinsy and a speaker adaptation technique to generate waveforms from a small amount of adaptation data.
著者
大浦圭一郎 間瀬 絢美 山田 知彦 徳田 恵一 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-86, no.1, pp.1-8, 2010-07-21

近年,コンピュータによる歌声合成が注目を集めている.中でも隠れマルコフモデル(hidden Markov model; HMM)に基づく歌声合成では,歌い手の特徴を歌声データと対応する楽譜から自動的に学習することができる.2009年12月,無料のオンラインサービス「HMM歌声合成システム: Sinsy」を開始した.ユーザーは楽譜をウェブサイトにアップロードすることで,任意の楽譜に対応した歌声を合成することができる.但し,Sinsyの歌声モデルには70曲で学習した特定話者モデルを用いており,新しい歌い手の歌声モデル追加の際の収録コストが高くなる問題があった.本稿ではSinsyのシステム構成について述べるとともに,話者適応手法により少量のデータから所望の歌い手の特徴を再現した歌声を合成することを検討する.
著者
全 炳河 大浦圭一郎 能勢 隆 山岸 順一 酒向慎司 戸田 智基 益子 貴史 ブラック アラン 徳田 恵一
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.129(2007-SLP-069), pp.301-306, 2007-12-21

近年,隠れマルコフモデル (HMM) に基づく統計的パラメトリック音声合成方式が注目されている.本方式では,音声スペクトル・励振源・継続長がコンテキスト依存 HMM により同時にモデル化される.音声合成時は,合成したい文章に対応する HMM からの出力確率が最大となるよう,継続長・スペクトル・励振源系列を決定した後,音声合成フィルタを用いて波形が出力される.2002 年より我々は,HMM に基づく音声合成のための研究・開発ツール「HMM 音声合成システム(HTS)」を,オープンソースソフトウェアとして公開してきた.本報告では,その最新の開発状況と今後の予定について述べる.
著者
大浦圭一郎 南角吉彦 徳田恵一
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-99, no.52, pp.1-3, 2013-05-04

近年,音声合成関連の研究分野では,統計的パラメトリック音声合成と呼ばれる統計モデルに基づいた手法が広く研究されている.この中でも,統計モデルとして隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model; HMM)を用いるHMM音声合成方式は,理論的に整理されたアルゴリズムと利用しやすいソフトウェアツールが公開されており,広く普及してきている.従来の波形接続方式と比較するとHMM音声合成方式は,発話の癖の再現や感情音声合成などの多様性,さらにそのフットプリントの小ささや言語依存性の低さなど,多くの優位性を持っている.一方,歌声合成関連の研究分野では従来の波形接続方式が広く用いられているものの,HMM音声合成方式も徐々に使われてきている.このような流れの中,我々はSinsyと名付けたHMM歌声合成システムを構築し,そのオンラインデモを公開した.本稿ではHMM歌声合成方式を紹介し,現状のSinsyのサービスや,今後の展望等を述べる.