著者
小坂 加麻理 小野寺 麗佳 柳田 貴子 山田 毅彦 相馬 明美 腰山 誠 田巻 健治 大澤 正樹
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.539-544, 2021 (Released:2022-03-01)
参考文献数
15

目的:日本人一般住民の年齢階級別心房細動有病率と罹患率を求めること.対象・方法:2018年に岩手県予防医学協会の健康診断で心電図検査を実施した30~89歳の岩手県内住民264,029名(男性144,434名,女性119,595名)の年齢階級別心房細動有病率を算出した.2013年に心電図検査を実施した住民242,299名のうち,心房細動を有さず,2018年までの5年間に1回以上心電図検査を実施した212,433名(男性118,181名,女性94,252名)を心房細動罹患率解析対象とした.初回の健診から最初の心房細動捕捉までの期間を観察期間として人年法を用いて年齢階級別心房細動罹患率を算出した.心房細動が捕捉されなかった対象者では,初回から最終の健診までの期間を観察期間とした.結果:心房細動有病率(%)は,男性30歳代0.06,40歳代0.23,50歳代0.99,60歳代2.97,70歳代5.61,80歳代8.10であり,女性30歳代0.01,40歳代0.02,50歳代0.08,60歳代0.44,70歳代1.31,80歳代3.52であった.新規心房細動罹患を認めたのは男性1,214名(平均観察期間4.2年),女性350名(平均観察期間4.2年).心房細動罹患率(/1,000人年)は,男性30歳代0.24,40歳代0.76,50歳代2.41,60歳代4.78,70歳代7.45,80歳代10.22であり,女性30歳代0.07,40歳代0.03,50歳代0.48,60歳代1.06,70歳代3.06,80歳代7.32であった.結論:我々は健診データを利用して30歳から89歳の日本人一般住民を対象として年齢階級別心房細動有病率と罹患率を算出した.若年者の心房細動有病率と罹患率は本報告が初めてであり,若年者から高齢者までの一般住民の心房細動有病者を健診データを用いて明らかにした.心房細動有病者への医療機関への受診勧奨により脳心血管疾患発症リスク低減を図るとともに,若年中年者でも観察された心房細動を減らすための生活改善の対策を講じる必要があると考えられた.
著者
坂田 清美 小野田 敏行 大澤 正樹 丹野 高三
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

先ず、BMIを基本とした小児期の新しい肥満指標を開発し、使用マニュアルを作成した。次に、新しい肥満度評価指標(以下標準BMI法とする)を用いて、岩手県において、児童・生徒の肥満度調査を実施した。その結果岩手県では、全国同様小中高と学年が進むにつれて肥満者の割合が高くなる傾向が認められたと同時に、統計学的には有意ではなかったが市街地よりも山間部、沿岸部において肥満者の割合が高い傾向が認められた。使用の感想たついてまとめると、学年に関係なく利用できること、評価が安定していること、大人と連続して利用可能なことがメリットとして挙げられた。デメリットとしては、慣れていないこと、文部科学省のお墨付きがないことによる不安、パソコンが必要なこと等が挙げられた。また、文部科学省の指標では、学年が一つ上がることにより、身長、体重が変化していないにもかかわらず肥満度が突然上下してしまうことが上げられる。この点については、標準BMI法による方法では、安定して評価するころが可能である。和歌山地区における標準BMI法の活用状況調査結果では、和歌山市の小中養護学校の3分の2の学校において使用しており、使用校の8割ではとても使いやすいと答えている。使っている理由としては、パソコンに入力するたけなので簡単だから、使い方が簡単だから、時間がかからないからが上位を占めた。使っていない理由として多かったのは別の方法を利用しているからで、4分の1を占めた。別の方法としては、ローレル指、日比式、保健室用ソフトなどを使用していた。