- 著者
-
青山 雄一
大田 信介
榊 三郎
藤田 豊久
- 出版者
- 一般社団法人 日本脳卒中学会
- 雑誌
- 脳卒中 (ISSN:09120726)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.4, pp.283-286, 2014 (Released:2014-07-25)
- 参考文献数
- 12
要旨:44 歳の女性,運動中に突然の激しい頭痛が出現し翌日に前医を受診,頭部CT(HCT)にて左後頭葉に限局するクモ膜下出血(SAH)を認め,発症5 日目に当科を紹介受診.頸部痛を伴う頭痛と項部硬直を認めたが,他の神経脱落所見はなかった.HCT と頭部MRI では左後頭葉に限局するSAH を認め,頭部MR angiography(MRA)ではSAH の局在と離れた左右の中大脳動脈(MCA)の末梢部に分節状攣縮を認めた.その他に出血源となる異常はなく,他の臨床検査所見でも原因となる異常は認めなかった.保存的加療にて頭痛は発症1 週間ほどで消失し,新たな神経症状も出現しなかった.発症8日目の血管造影では,頭部MRA 同様に左MCA 部に分節状の攣縮を認め,可逆性脳血管攣縮症候群と診断した.攣縮は発症約1 カ月後のMRA では消失していた.以後の再発を認めていない.