著者
大町 方子 大町 真一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.673-679, 2009-09-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

高度道路情報システムへの関心が高まり,安全走行のための様々な運転支援システムが開発されている.その中でも,最近画像を用いたシステムが注目され,道路環境の認識と理解に関する様々な研究が行われている.信号機の認識は安全運転支援には重要な技術である.車載カメラで撮影した画像から信号機を検出し,点灯している色を認識することが可能となれば,運転者に対して道路環境を理解するための有益な情報を与えることが可能となる.本稿では,車両用信号機を対象とし,デジタルカメラで撮影した情景画像から点灯している信号表示面を高速に検出し,その色を認識する手法を提案する.提案手法では,まず信号機の種類や照明条件による色の違いを吸収するために色空間をRGBから正規化RGBに変換する.次に,色情報に基づいて信号表示面の候補領域を抽出する.そして,エッジを用いたハフ変換を基本とし,色情報を相補的に利用することにより信号表示面の正確な領域を抽出する.実際にデジタルカメラで自動車のフロントガラスを通して撮影された情景画像を用いた実験を行い,提案手法の有効性を検証する.
著者
大町 真一郎 大町 方子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1561-1568, 2008-06-01

画像探索はパターン認識やコンピュータビジョンにおける重要な課題の一つである.画像の探索には,計算の高速性や頑健性から,画像そのものをテンプレートとして用いるよりも,色ヒストグラムや特徴点等の低次の特徴が用いられることが多い.しかし,低次の特徴では文字等の複雑な画像を探索することは困難である.本論文では,部分空間法に基づいた,テンプレートマッチングによる新しい画像探索の手法を提案する.提案手法は部分空間の基底を多項式で表すことで,この部分空間と入力画像中の部分領域との類似度を,部分領域の幅と高さを変えながら効率良く計算する手法である.手書き数字データベースMNISTを用いた実験を行い,提案手法の有効性を示す.