著者
大町 洋 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.197-204, 2012-11-09

近年,チェスや囲碁,将棋など様々なボードゲームのAI が研究され,既に人間のプロのレベルに到達しているものも存在する.しかし,ボードゲームは着手の同時公開の困難からか交互ゲームが多く,ジャンケンなどのそれぞれのプレイヤが着手を決定してから同時に公開する同時進行ゲームのAI 開発に関する研究は少ない.本稿では,同時進行ゲームのAI 開発の足掛かりとして,ナッシュ均衡を考慮した確率的なノード探索をモンテカルロ木探索に適用する手法を提案する.提案手法は二人零和完全確定情報同時進行ゲームである同時進行Triomineering にて,モンテカルロ法に対して優位な結果を示すことに成功した.
著者
大町 洋 佐藤 直之 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.126-129, 2013-11-01

数独を代表とする一人パズルに対する求解・インスタンス生成の研究はさかんに行われているが,そのうち“上海”やマインスイーパなど不完全情報性を持つものにおける研究は依然少ない.本研究では,上海を題材に,不完全情報性を踏まえた着手決定法を考案し,その上で人間にとって面白いインスタンスを生成することを目的とする.具体的にはまず,モンテカルロ法と評価関数ベースの木探索を組み合わせ,高性能・低性能の仮想プレイヤを作成する.その上でランダムに生成したインスタンスを解かせ,“高性能の仮想プレイヤには解け,低性能の仮想プレイヤには解けない”,つまり簡単あるいは難しすぎず,また不完全情報性による理不尽さの少ない,実力が物をいうインスタンスを提供する.