著者
湊 太郎 横山 由香 大石 友彦 佐藤 義夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.54-59, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
26
被引用文献数
1

豊かな水産資源を効率的かつ持続的に利用するためには,より健全な沿岸海域環境を取り戻し,それを長期にわたって維持する必要がある.本研究では,海域環境改善の手法として,底質に光を照射し付着藻類の光合成を促すことにより,底層水の貧酸素化を抑制する方法に着目した.ここではまず,無酸素状態からの溶存酸素量の増加の可能性を調べるため,自然堆積物を用いて室内実験を行った.人工光源として,本研究ではLEDを採用した.その結果,光を照射することによって,溶存酸素量が増加し無酸素状態を脱することが確認された.このことから,底質にLEDを用いて光を照射する方法は,無酸素状態の環境を改善するために非常に有効な手段であることが明らかとなった.