著者
藤岡 和美 矢野 希世志 大石 実
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.329-331, 2008-12-01 (Released:2011-11-28)
参考文献数
9

1 0 0 0 Lasègue徴候

著者
大石 実
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.304-305, 2015-04-25

原 著 Ernest-Charles Lasègue(1816-1883)はフランス人であり,フランス語ではラセーグではなくラゼーグと発音する.Lasègue徴候の原著は,自分が指導教授となった弟子Forstの博士論文である2,3,5).Lasègueは,坐骨神経痛では坐骨神経を圧迫すると坐骨神経に沿った痛みが起こり,膝関節を伸展したまま股関節を屈曲しても誘発できると記載している5).Lasègue徴候の方法は,2つの手技からなる3).患者を仰臥位にし,力を抜かせる.検者の手を患者の踵にあてて片脚を持ち上げ,膝関節は伸展したまま股関節を屈曲させる.患者は坐骨神経に沿った痛みを訴え,股関節を屈曲できなくなる(図1).次いで,膝関節を屈曲し,踵をおしりのほうにゆっくりずらして股関節を屈曲させると痛みがない(図2)場合に陽性とする.ForstではなくLasègueがこの徴候の発案者であり,この徴候は坐骨神経が引き伸ばされることによると弟子De Beurmannは記載した2).