著者
大西 圭 山本 寛 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.79, pp.7-12, 2005-05-18
被引用文献数
1

構造化されないPeer-to-peer(P2P)ネットワーク上でのファイル共有を想定し, P2Pネットワークを構成する機能的に対等なピアはそれらに生じるストレージ負荷に関しても対等であるべきであるとの立場から, 新たなストレージ負荷分散のための複製配置手法を提案する.提案手法は, 各ピアが保持する過去のファイル検索経路情報を用いて, 現ファイル検索経路上のピアおよびそれらの隣接ピアの中からピアを選択し, 一定の確率で選択ピアにファイルの複製を生成する.実験の結果は, 提案手法が, ファイル検索経路上のピアのみに一定の確率でファイルの複製を配置する比較対象手法に比べ, 優れたストレージ負荷分散性能を持つことを示す.
著者
市川 憲人 大西 圭 内田 真人 鶴 正人 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.125-130, 2006-02-23
被引用文献数
1

ファイル共有を目的とした非構造型Peer-to-Peer(P2P)アプリケーションにおいて,複製の配置は検索効率を高めるための有効な方法であるが,既存の複製配置手法には,一部のピアに負荷を集中させてしまうという欠点がある.そこで本研究では検索効率と両立しながら負荷分散を達成するために,熱拡散現象に着想を得た複製配置手法を提案した.理論解析の結果,提案手法は統計的に熱拡散現象と類似の挙動を示すことを明らかにした.また,シミュレーション評価の結果,提案手法は検索性能と負荷分散をうまく両立させる能力に加え,検索効率と負荷分散の多様なトレードオフ関係を開拓する能力を有することが分かった.