著者
西原 一嘉 西原 小百合 安富 雅典 新関 雅俊 大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement1, pp.171-174, 2006 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

F.Hohenberg (1) が指摘しているように建物を二方向から撮った写真があれば、透視図を逆変換することにより建物の三次元形状を再現することができる。しかし、昔の町並みのように一枚の写真しか残されていない場合はこの方法は使えない。これまで、一枚の写真とともに残されている地図を併用することによって建物を再現する方法を検討してきた。具体的には建物の形状をデジタルカメラで撮影し、その画像から図学的手法を用いて (Auto CADを使用し) 再現するものである。なお、実際の撮影において、隣の建物や木などが邪魔をして建物の地面の位置が隠れてしまうという問題や地図上に基準となる正方形が取れない問題やさらに建物の高さの測定精度がかなり低くなる問題も生じると考えられる。そこで、本研究ではシミュレーションにより、以上の問題点を解決する方法を検討した。
著者
大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.29-34, 1996 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

Tadasi Seike (1891-1974), engineer-educator of mechanical engineering, wrote several books on engineering drafting which were favorably accepted by many engineers, successively played various important roles in engineering education and industrial standardization and was decorated with an order; however, there is certain question whether he had satisfaction with his own results of endeavoring on the advancement of Japanese machine industry, because almost every entrepreneur, who would be the largest beneficiary of Seike's theory of drafting aiming at the improvement in efficiency of labor at minor factories covering the major part of the industry in the first half of the present century in Japan, showed little interest in his arguments. This paper has the purpose to solve this problem through the explanation that Seike's arguments based on the scientific thought which was very rare among Japanese were not understood by the majority thinking mythically. The difference in types of thought between Seike and others was an invisible and very hard obstacle to the attainment of his promising plan.
著者
大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.147-152, 2004

日没時太陽は上下にひしゃげた疑似楕円形になる。太陽からの光線は水平線に近づくほど上方に大きく曲がる。これを大気差というが、その数値はラドー、ベッセルなどにより研究されている。本論文ではラドーの大気差の実験式を使用して水平線近くの太陽の形状を作図する大気差曲線線図を開発し、この線図を使用して太陽が水平線に没するまでの形状の変化を追跡した。<BR>また日没時、大気の異常によりダルマ型、Ω型などの変形太陽が出現する。このときの大気差曲線がどうなっているかを、変形太陽から大気差曲線を逆に求める方法を開発した。これにより変形太陽の経時変化を追跡でき、よく出現する形状をシミュレートすることができた。<BR>古来北欧の伝説にもなっているグリーン・フラッシュの現象もこの大気差曲線線図で解明することができた。1992年、バード隊が南極観測基地リトル・アメリカでグリーン・フラッシュを35分間観測したという記録があるがこれを図学的に解明した。<BR>この研究のために日没時の連続写真を撮影した。狭い瀬戸内海で対岸の山脈に邪魔されなく太陽が完全に水平線に水没するという写真が得られた。常識で考えられないこの理由を天文航法で用いる視地平距離と視達距離の考え方を瀬戸内海周辺の地形図に適用して図学的に解明した。