著者
大角 哲也 新谷 和文 臼田 滋
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.151-155, 2013 (Released:2013-06-25)
参考文献数
16

〔目的〕脳卒中患者におけるDual-Taskの指示の仕方の違いによるパフォーマンスへの影響を検討すること.〔対象〕歩行が自立または監視下で可能な脳卒中患者47名とした.〔方法〕Dual-Taskは10 m歩行テストと3桁の数字の逆唱の同時遂行とし,指示の仕方を「歩行と逆唱の両方に同じぐらい集中して下さい」(Dual-Task Complex:DTC)と「主に逆唱に集中して下さい」(Dual-Task Backward digit span:DTB)の2種類で計測した.〔結果〕DTCに比較してDTBにて歩行速度,ケイデンスが低下し,逆唱の回答数,正答数が増加した.〔結語〕脳卒中患者を対象に転倒予測や歩行能力の評価指標としてDual-Taskを用いる場合には,指示の仕方を明確に規定する必要がある.