著者
大谷 真樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.154, 2018 (Released:2018-12-01)

植民地の開発・経営において、インフラストラクチャー事業は、重要な要素である。しかし、鉄道や都市計画など、日本統治期の朝鮮における他のインフラストラクチャー事業に対する研究が盛んな一方、河川に関する研究は限定的であった。これは、河川事業が治水、灌漑、電源開発など多方面に渡り、研究も断片的であったことが考えられる。本発表では、河川の持つ自然資源という側面と、河川事業の植民地的性格、そこに携わった土木技術者の流動性と開発思想に着目し、日本統治期の朝鮮における植民地開発を、河川事業の展開という観点から明らかにする。