著者
南里 英幸 松尾 太郎 大貫 祥央 福地 健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-177, no.34, pp.1-8, 2018-03-09

高精細な 3D プリンタが安価に利用可能となり,印章 (はんこ) の偽造は誰もが容易にできるようになりつつある.本調査では,紙に捺印された印影をスキャンした画像から,複数種類の手法で印章を作成し,予備調査によってもっとも高評価であった,アクリルを用いたマテリアル ・ ジェッティング方式によるものを用いて目視による真贋判定実験を実施した.対象者は著者らが所属する大学の大学生で,いずれも印影照合の経験は持っていなかった.実験の結果,正答率は約 70% となり,また偽造した印章による印影のうち 25% は本物と誤判定された.また,照合の過程で印影のどの箇所を見て判断したかについて被験者に指摘してもらい,本実験で採用した手法の問題点を分析した.