著者
大越 諄 吉川 弘之 佐田 登志夫
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.25, no.292, pp.266-274, 1959-05-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
15
被引用文献数
1

研削機構の研究において基礎的な問題である1個の砥粒の研削作用を明らかにするために,ダイアモンド三角錐による単粒研削実験を行い,また切削理論を適用していろいろな現象に検討を加え,次の結果を得た.1. 1個の砥粒の研削作用を考えるとき,二次元切削の切削模型と本質的には同じ研削模型が考えられ,それにもとずき,せん断角,被削材料の変形抵抗などを計算し,切削の揚合と比較することができた.2. 砥粒の形状,方向は研削抵抗などに大きな影響を及ぼす.特にもり上り切残し量は著るしい影響を受ける.3.研削模型に従って計算した被削材料の変形抵抗は著るしい寸法効果を示す.4.研削速度を150~1,780m/minのように広く変化させると,従来の切削では見られなかつたような研削抵抗の遷移現象が認められる.5.もり上り切残し量は著るしい速度効果を示すが,それはKármánの定義した塑性波の速度と研削速度との関連によつてきまるように思われる.
著者
大越 諄
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.30, no.351, pp.301-305, 1964-04-05
著者
大越 諄 渡邊 半十
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.13, no.148, pp.1-6, 1947

以上の實験結果を総括し木工用錐に就き特に注意すべき事柄を述べれば<BR>1)切味は捩れ角の大きい方が良いが,孔の仕上は捩れ角の小さい方が良い.<BR>2)之は切削合力の方向と木材の繊維の方向性に基因し一般金属の場合と異る著黙である.<BR>3)又切味及び孔の仕上に及ぼす削屑の影響は相當ある,と云ふ事である。之に附加して錐の壽命は切味及び孔の仕上に較べて第二義的のものであることを考慮すべきである<BR>以上の諸結果を総合して木工用錐の形状を選定すれば圖11に示すA型B型に分かれると思ふ.<BR>即ちA型は主に切味を要求する場合の形状例へばリングオーガー等に應用し得る形状である.B型は孔の仕上精度を向上せしめるに望まれる形歌である.マシンドリルとしてはB型の形歌を高速度下で使用することを推奨する.