著者
円谷 悦造 伊東 一博 川村 吉也 大野 正司 吉田 重方
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-50, 1991-11-30 (Released:2010-06-08)
参考文献数
6

(1) 主要芝草病原菌に対する食酢液の抗菌力はP. aphanidermatum>R. solani>F. roseum, Helminthosporium sp.の順に強く示された。(2) 食酢希釈液 (300倍希釈) の葉面散布はペレニアルライグラス (パーマーとプレリュードの2品種混合) の生育を促進し, 主根長の顕著な伸長が認められた。(3) 食酢希釈液 (20倍, 100倍および500倍) をコウライ芝フェアウェイに散布したところ, 病害防除および葉色の保持に効果が認められた。さらに散布の効果は夏期の高温少雨によって生ずる“葉焼け”を軽減させ, 緑色保持に働いていた。散布区の芝は1990年12月18日まで緑色を保持していた。また, 散布区の地下部の根張りは対照区に比べて良好であった。(4) これらの試験結果から, 農薬の使用が制限されるゴルフ場などの芝地における植物病原菌の制御に食酢希釈液の葉面散布が有効な手段の一つとなり得る可能性が示された。